園長のお話し

「共に生きるために」

 

 - 井石 彰

かおり幼稚園が大切にしようとしている保育に、異年齢保育とインクルーシブ教育があります。これらはいずれも「共に生きる」ための、子どもたちの心の成長をめざしたものです。

今年度、幼稚園ではクラスの部屋の配置を大きく変えました。そこには、異年齢交流をもっと活発にしようという意図があります。これまでは同年齢保育を中心に行ってきました。同年齢保育には、発達の年齢に即した保育を行うことができるという良い面があります。しかし、その一方で、同年齢であるがゆえに、子ども同士の関係は比較と競争の面が強くなりがちです。それに対して、異年齢保育は年齢幅があることで子どもたちに、年下の子にたいする思いやりの心の成長や、年上の子をまねることによる自然な学びの機会をもたらします。そこで、かおり幼稚園では、同年齢保育とともに異年齢保育を大切にしたいと思っています。

また、かおり幼稚園は他園に先がけて、障がいのある子どもたちを受け入れて統合保育を行ってきました。その統合保育が進化したもの、それが「インクルーシブ教育(包容する教育)」です。それは、障がいの有無にかかわらず、子どもたち一人ひとりの人格と個性を尊重し、その多様性を認め合いながら、共に学ぶことをめざしたものです。そのために、それぞれの子どもに必要な支援を把握して、その環境を整えていこうとするものです。この「インクルーシブ教育」は、共生社会の実現をめざしている我が国の重要な取り組みとなっています。

しかし、多様性を認め合い、色々な人たちと「共に生きる」ことは、決して簡単なことではありません。そのような中で、「共に生きる」ための労苦を負っていくこと、それが聖書の言う「愛」です。かおり幼稚園では子どもたちとともにその「愛」の心を大切に育てていきたいと願っています。

「笑いとユーモアで」

 

 - 井石 彰

進級、入園おめでとうございます。新学期が始まりましたが、新型コロナウイルスの勢いは、今も衰えていません。感染への不安と長い自粛生活で、気持ちが落ち込んできます。そのコロナ禍を耐え、乗り越えていく力の一つは、「笑いとユーモア」ではないでしょうか。
 思えば幼稚園には、いつも笑いがあります。それほど、先生や職員はよく笑っています。その笑いを与えてくれるのは、子どもたちです。子どもたちは何気ない言葉で、しぐさで、表情で、私たちを笑わせてくれます。私たちはその笑いをとおして、子どもたちから元気をもらっています。
 子どもたちは、私たちを笑わせる天性の力を持っています。その証拠に、生まれたばかりの赤ちゃんは何もできないのに、すでにまわりの人たちを笑顔にすることができます。吉本のお笑い芸人もとてもかないません。そのような子どもたちをたくさんお預かりしている幼稚園は、笑いの宝庫です。その笑いが、私たちの心を和ませ、軽くさせ、元気にしてくれます。
 数年前に亡くなった上智大学名誉教授のアルフォンス・デーケンさんは、「ユーモアとは、『にもかかわらず笑う』ことである」と言われています。そして、笑いやユーモアの極意は、自分の失敗や弱点を笑うことであると言われます。失敗をし、弱点を抱えている自分である「にもかかわらず」、神さまはそんな自分を愛し、受け容れていてくださると信じるとき、私たちは心から自分を笑うことができるのです。そして、その笑いがまわりの人たちの共感を生み、その心を和ませるのです。また、つらいとき、大変なとき、「にもかかわらず」笑うことができるのは、そのような時にも神さまは愛をもって私たちを守り導いていてくださると信じるときです。その笑いが困難に耐え、それを乗り越える力を与えてくれるのです。
 だから、コロナ禍の中にあっても、子どもたちとともに笑いとユーモアを大切にしながら、明るく、楽しく歩んでいきたいと思います。

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