園長のお話し

「この秋、おすすめしたい一冊」

 

 - 井石 彰

ちょっと遅ればせの読書の秋に、保護者の皆さんにぜひ読んでいただきたい一冊の本をご紹介します。仕事や子育てに忙しくて本など読んでいる時間などありませんと言われてしまいそうですが、子育て中のお母さん、お父さんにとってきっと良い支えとなると思います。それは、「この子はこの子のままでいいと思える本」(2020年7月主婦の友出版1.300円)という本です。児童精神科医として多くの子どもと親をみてこられた佐々木正美先生が、ある婦人雑誌の「子育て悩み相談」で、お母さんたちから寄せられたさまざまな子育ての悩みに対して答えられたものをまとめたものです。

皆さんの中にも、子どもの成長を心配したり、子育てに悩んでおられる方がおられると思います。子どもが言うことを聞かずわがままなので困っているとか、イライラしながら子どもをいつも叱ってばかりいる自分に、これではダメだと思って落ち込むとか。子育ての悩みや心配は尽きることがありません。佐々木先生はそんな子育てに悩むお母さんたちの気持ちを受けとめ、寄り添いながら、子どもの心とその成長にとって大切なことを優しく教えてくださり、お母さんたちの子育てを応援してくださいます。

たとえば、子どものしつけで悩んでいるお母さんに、佐々木先生は「待つ」ことの大切さを話されます。「『待つ』ということは、ほったらかしにするということではありません。できるようになるまで、親は何度でも繰り返し教えるのです。穏やかに教えるのです。飽きずに教えるのです。やり方を見せ、いっしょにやり、失敗したら助け、人に迷惑をかけたらいっしょに謝るのです。そうやって時間をかけて、できるようになるまで待つのです。」「そうやって待ってもらっている間に、子どもの心の中に自律性が育ってきます。」

その本には、この他にも子育てに悩むお母さんたちを支えるすばらしい言葉がたくさんあります。本を買って読んでみたいと思われる方のために、幼稚園に取り寄せて置いておきますので、どうぞお申し出ください。

園長 井石 彰

「神様って、なぜ見えないの」

 

 - 井石 彰

暑かった夏も終わり、ようやく秋風を感じる頃になりました。コロナ禍の中でも、子どもたちは幼稚園で毎日元気に遊んでいます。その子どもたちの姿を見ていると、心配ばかりしているこちらの方が励まされます。

この前、ある年長の子どもから「神さまって、なぜ見えないの?」って質問されました。礼拝で神さまのお話を聞きながら、いつか尋ねてみたいと思っていたのでしょう。そのとき、私は神さまのことを知りたいという子どもの思いをうれしく思いながら、純真なその質問にどのように答えたら良いものかと悩みました。そして、このように答えました。「神さまは目に見えないけれど、神さまの子どものイエスさまをとおして神さまのことを知ることができるんだよ」って。でも、子どもは首をかしげて、「わかんない」という風でした。その姿が心に残って、それからしばらくの間「あのとき、どのように答えれば良かったのだろう」と自問してきました。その中で、ふと心に浮かんできた答えがありました。それは、「神さまが見えないのは、信じるためだよ」っていうことです。たぶん、そのように答えても、子どもは同じように「わかんない」とくり返すかも知れません。それでも、子どもたちの心の中にも「信じる」心が育つことを願って、そのように答えたいと思います。

見えないのは、神さまだけではありません。人の心も、私たちの未来も見えません。でも、私たちは人の心を信じるとき、そこに愛と友情が生まれてくるのを知っています。また、私たちの未来を信じるとき、そこに勇気と希望がわき起こってくるのを知っています。神さまだけではなく、見えないものを信じることが困難を切り開く力となるのです。子どもたちの心にもそのような「信じる」心が育ってほしいと思います。

イエスさまは復活された後、疑う弟子の前に現われて言われました。「わたしを見たから信じたのか。見ないのに信じる人は、幸いである」と。