園長のお話し

「風に揺れる草のように」

 

 - 井石 彰

この一年、幼稚園もコロナ禍に揺れました。毎年行っていた行事ができず、色々と変更せざるを得ませんでした。普段の保育もさまざまな制約を受けました。しかし、そのような中でも、幼稚園では工夫を凝らして保育や行事を行ってきました。子どもたちもその変化を受けとめ、それに合わせながら園の生活を楽しんでいました。子どもたちのその心の柔軟さに「強さ」を感じました。それは、風に揺れる草の「強さ」にも似ています。

体育指導中の事故で手足の自由を失い、口に筆を加えて草花の絵と詩を描き続きている人に、クリスチャンの星野富弘さんがいます。彼の詩画集(四季抄「風の旅」)の中に、黄色い花を咲かせた「やぶかんぞう」の絵とともに、このような詩が書かれています。

いつか 草が風にゆれるのを見て 弱さを思った

今日 草が風に揺れるのを見て 強さを知った

かつて星野さんは、どのようなことがあっても揺るがないことが「強さ」だと思っていたのでしょう。だから、風に揺れる草を見て、そこに「弱さ」を感じました。しかし、障がいを負って、その見方が全く変えられました。風に揺れながらも倒れず、しなやかに生きる草の「強さ」を知ったのです。

私の好きな聖書の言葉の一つに、「キリストの力がわたしの内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。・・・なぜなら、わたしは弱いときにこそ強いからです」(コリント第2、12章9~10節)というのがあります。その弱いときにこその強さは、キリストにより神さまの愛を信じることで与えられるもので、草のようにしなやかな「強さ」です。

これからも色々な困難なことがあると思います。その中で、私たちも子どもたちとともに風に揺れる草のように強く生きていきたいと思います。保護者の皆さまには、この一年間、コロナ禍の中での幼稚園の働きに対してご理解とご協力をいただき、本当にありがとうございました。

 

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