園長のお話し

愛と苦しみ

 

 - 井石 彰

子どもたちは今、卒園、進級の時を迎えようとしています。この1年間で、子どもたちはさらに身体も心も成長しました。その成長は驚くばかりです。そのことを神さまに心から感謝をしたいと思います。その子どもたちの成長のかげには、保護者の皆さんや先生方の献身的な働きと数々のご苦労があったものと思います。その愛情こそが、子どもたちの健やかな成長のための活力であったことを思います。
幼稚園では毎週、礼拝の中で聖書のお話をしています。旧約聖書から始まって新約聖書のイエスさまの物語へと、1年かけて計画的にお話をしています。毎年この時期には、神の子イエスさまが十字架につけられて死なれたお話をすることになっています。卒園する子どもたちへの最後のお話としては、とても暗い話です。でも、そこにこそ、ぜひ知ってほしいキリスト教のメッセージがあるのです。十字架につけられて死ぬとは、普通に考えれば、何とも無力な救い主です。でも、キリスト教はその無力さにこそ、神さまの愛を受けとめてきたのです。そこで、子どもたちにも、「イエスさまはね、私たちのために十字架の苦しみを負ってくださったんだよ。それほど、私たちのことをだいじに、だいじに思ってくださっているだよ」と話します。子どもたちにも、私たちのために苦しみを負ってくださった神さまの愛を受けとめてほしいと思うのです。
愛することは、その人のために苦しむことができるということです。苦しみを負うことなくして、愛することはできません。イエスさまの十字架はそのことを語っています。保護者の皆さんは、子どもを愛しておられるからこそ、子どものためにいろんな苦労をされてきたのだと思います。その愛による苦労ほど尊いものはありません。その愛を受けて、子どもたちがさらに成長していくことを心から願っています。

園長 井石 彰

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