園長のお話し

明日のことを思い悩まない

 

 - 井石 彰

 入園、進級おめでとうございます。本来ならそのことを心から慶び、これから始まる子どもたちとの新たな歩みに心を弾ませたいところですが、新型コロナウイルスの心配の方が先に立ってしまいます。いつまで感染は広がりつづけるのだろうか、いつになったら普段の生活に戻れるのだろうか、と不安になります。そして、これからのことをあれこれと考えて、思い悩んでしまいます。そのようなとき、私の心にふとイエスさまの言葉が浮かんできました。それは、「明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である」という言葉です。この言葉は、明日の食べ物のあてもなく何を食べようかと思い悩み、明日着替える服もなく何を着ようかと思い悩んでいる弟子たちに語られたものです。イエスさまはその言葉をとおして明日のことを思い悩む弟子たちに、自分たちを愛し必要なものを与えてくださる神さまを信じて、今日という日を、今この時を大切に生きるように語られたのです。
私たちも明日のことを心配して思い悩みます。明日のことを思い悩むあまり、私たちの生きている今日という日、与えられている今この時を感謝して大切に生きることを忘れてしまいます。たとえば、それは春になり道ばたに咲き始めた花にも気づかず、慌ただしく通り過ぎてしまうようなものです。その点、子どもたちは違います。いち早くその花を見つけて、近づいていきます。なぜなら、子どもたちは明日のことを思い悩むよりも、今日という日、今この時を生きているからです。そして、今この時を充実して過ごすことが、子どもたちの未来を切り開き、豊かなものとするのです。私たちもこの子どもの姿に学びたいと思います。明日のことを思い悩むのではなく、神さまの愛を信じて、与えられた今日という日、今この時に心を向けたいと思います。そして、今あるもの、今できること、今すべきことに心を注ぎながら、新しい年度も子どもたちの保育を行っていきたいと思っています。

園長 井石 彰

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