園長のお話し

異年齢での生活と遊び

 

 - 井石 彰

幼稚園では子どもたちによる手作りの色々な催し物がつづいています。アイドル・グループに扮した子どもたちの歌謡ショー、ハロウィンのお化け屋敷、園庭で獲れたカボチャの試食会、お店屋さんごっこなど、いずれも子どもたちが楽しく始めたものばかりです。子どもたちは催しを行うたびに職員室にまで呼びかけに来てくれます。その子どもたちの楽しそうな顔を見ると、うれしくなって催し物が行われているところに飛んでいきます。そこには、クラスを越えて子どもたちや先生たちが集まっていて、みんなでその催し物を楽しんでいる姿がありました。保育棟の小さな子どもたちも幼稚園棟に遊びに来て、みんなから可愛いがられています。
幼稚園では数年前から朝の自由遊びの時間を長くしたり、午後の預かり保育を縦割りのクラスにしたりしながら、異年齢の子どもたちの交流を大切にしてきました。今、その成果が少しずつ表れてきているように思います。それまでは同年齢の子どもたちの保育を中心にして、それぞれの年齢にふさわしい保育を行ってきました。この頃、その保育の良さと同時に問題も指摘されるようになりました。特に、同年齢だと子ども同士の関係が横並びのために、子どもたちも「できる、できない」を比べ合い、競争的な面を助長しがちであると言われます。もちろん、子どもの成長のためには、そのような競争の面も必要なのかも知れません。しかし、それだけでは「思いやり」など大切な心は育っていきません。
異年齢の交流の中では、子どもたちはお互いの違いを理解し、相手に応じた関わり方をくふうするようになり、その中で「思いやり」の心も育っていきます。また、小さい子どもたちは大きい子どもたちを見て学び、あこがれをいだき、「自分もやりたい」「できるようになりたい」と意欲を高めることにもなります。家庭での少子化が進み、子どもたちが一緒に遊ぶ社会が周りから失われて行く中で、幼稚園では異年齢での遊びによる子どもたちの育ちを大切にしたいと思っています。